東日本大震災から13年、その記憶が薄れないなか、今年の元日には能登半島地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。さらに、内閣府の発表では、震度7クラスの地震が予想される首都直下地震、南海トラフ地震は30年以内に70%の確率で発生するとされています。近年、シニア層の単身者世帯が増えており、震災時には孤立してしまうことも考えられます。そんな緊急事態時に、家族や知人との連絡手段としても活用できる「LINE」の機能についてご紹介します。
通信障害が発生しても使用可能! 「LINE」は緊急時のホットライン
巨大地震発生直後は、自分の命を守る行動をとることが最優先となります。揺れが収まり、少し気持ちも落ち着いたところで気になるのは、家族や友人の安否ではないでしょうか。ところが電話をかけようとしてもつながらない。過去の震災においても大規模な通信障害が発生していることを考えると、おそらく同様の状態が予想されます。
日頃、遠く離れている家族ともスマホでつながっているからこそ安心を得られますが、つながらない状況に不安が募るばかり…。そんな時、シニア層の方々も多く利用しているコミュニケーションアプリ「LINE」が力を発揮するのです。
「LINE」が誕生したのは2011年6月。東日本大震災での通信障害を教訓に生まれたアプリという背景があります。電話回線がつながらなくても、インターネットにつながっていればどこでも利用できる、まさに緊急時のホットラインなのです。
緊急時に活用できる「LINE」の便利機能
シニア層の方々は普段、「LINE」のトーク機能しか使っていないケースが多いのではないでしょうか。しかし、緊急時に活用できる機能が、いくつもあります。その中から、シニア層の方々に、ぜひ知っておいていただきたい機能を3つご紹介します。
1.タップするだけで「友だち」に安否をお知らせする方法
巨大地震に見舞われた時には、落ち着いて文章を打ち込む余裕がないかもしれません。そんな時に「友だち」登録されている人の安否を確認したり、タップするだけで自分の安否を知らせることができる機能です。
※LINEのバージョンiOS╱Android 12.2.0以降で利用可能
手順は下記の通りです。
①震度6以上の地震や大規模な災害が発生した際、ホームタブに赤枠の「LINE安否確認」が表示されるので、「安否を報告」をタップ。
②[無事]、[被害あり]のどちらかを選ぶことができるので、自分の状況を選択してタップします。
もし余裕があるなら、コメント欄に文章を入力したり、候補の文章を選んで詳細を伝えることもできます。
③入力が終わったら「安否を報告」をタップします。
2.名前の横にメッセージを入れて安否を報告する方法
もし、「LINE安否確認」が出てこない場合には、名前の横にメッセージを入れることで、自分の安否や状況を「友だち」に知らせるようにしましょう。
手順は下記の通りです。
①ホーム画面から歯車の「設定」→「プロフィール」をタップ
②変更したい「名前」をタップし、名前の後に「無事です」「○○に避難中」などの短いメッセージを入力したら「保存」をタップ
③自分の画像、名前の横にメッセージが表示されます
3.地域の災害速報を受け取る方法
自分が住んでいる地域を「LINE」に登録し、「防災情報」の受信設定を行うことで、連携している「Yahoo!防災速報」から、その地域の災害情報の詳細を確認することができます。「地震情報」のほか、「避難情報」「津波予報」「気象警報」など9つの防災速報に対応しています。最大3地点まで登録できるので、自宅だけではなく勤務先や家族が住んでいる地域の情報を受け取ることも可能です。設定の手順は下記の通りです。
①ホーム画面から歯車の「設定」→「プロフィール」をタップ
②画面の下の方にある「LINE Profile+」をタップ→「はじめる」をタップ
③次の画面で、住所等の情報を入力して「保存」をタップ
④「LINEスマート通知」LINE公式アカウントを友達追加する
⑤「LINEスマート通知」のトーク画面右下にある「スマート通知設定」をタップ→「防災情報」をタップ
⑥次の画面で「防災速報の通知を受ける」をタップ
⑦地域や受け取りたい情報を設定したら右上の×印をタップして完了
DX編集部では、これまで「スマホ教室」などを通じて、500人を超えるシニアの方々と接してきた中で、「スマホは苦手」と言いながらも、離れて暮らす家族や友人との連絡に「LINE」を使用している多くの方に出会いました。また、地方の団地自治会からの依頼を受け、居住するシニアの方々にスマホの操作方法と、団地内の連絡手段として活用するために「LINE」の使い方を指導した経験もあります。
実はシニアの方にとって「LINE」は身近なツールなのです。日常的なコミュニケーションツールとしてだけではなく、グループ内での連絡、そして緊急時の安否確認ツールとしても活用できる「LINE」はシニアの方々こそが利用すべきアプリなのです。
シニア世代を対象に「LINE」講座などをお考えの際には、シニア層への知見とスマホ指導経験が豊富なDXマニュアル編集部に、ぜひご相談ください。